初めて眠った夜
「てらす」は、その日たくさんの努力を見つけました。
ノートを書いている子。むずかしい問題に何度も挑戦している子。
「もう少しだけやろう。」
そう言いながら本をひらいている子。てらすは、
トテトテトテ。
と歩いて、そのそばに行きました。そして努力を見つけるたびにほっぺの灯がぽっとともりました。
夜も、だんだん深くなりました。机のランプの光もやわらかくなっています。勉強していた子は本を開いたままうとうとしはじめました。
ページの上に鉛筆がころんと転がっています。てらすはその本の上にのぼりました。紙のにおいがします。インクのにおいもします。その本には、たくさんの努力が残っていました。何度も開かれたページ。小さな書き込み。少し折れたページの角。てらすは思いました。
「この本、あったかい……。」
てらすはそのページの上でくるんと丸くなりました。机の上にあった消しゴムを枕にします。ほっぺの灯がほんのり光っています。そしててらすははじめて本をお布団にして眠りました。その夜、てらすの夢の中にはたくさんの努力がやさしく光っていました。
「偉いね。」「ちゃんと見てるよ。」「大丈夫。」
てらすは、夢の中でもそう言いながらすやすや眠っていました。そして次の日。
どこかの机の上で、また本がひらく音がします。てらすは目をこすりながら歩きます。
トテトテトテ。トテトテトテ。
今日はどんな頑張りに出会えるでしょうか。
てらすのお部屋
